喫茶店で。

2000年10月4日
例の人から、家に電話があった。
今までメールのやりとりだけだったのだが、何かたまらない事があったらしい。家は留守にしていて、彼女の電話は留守電が受けていたので、慌てて録音されていた番号にかけなおす。
時計を見ると、3時になるところ。電話が録音された時間から数時間経っている。

電話の声ははじめ明るく、でもやがて涙声。これはマズイよ…。よし。
「もし夕方お時間取れるようでしたら、直接お話しききましょうか」
と、こちらから切り出す。電話では、様子がつかめず、向こうも中途半端な気分だろう。

初めて会う彼女は、小柄で細く、可愛らしい声で話す女性だった。
落ち着ける喫茶店を選んで、ひとしきり話をきいた。若い頃の話、今の話、両親の話、いろいろと取り混ぜ組み合わせ、内容はバラエティに飛んで、5時間にも及んだ。
結婚してから、外で、しかも彼のいない場所でこんな長い時間過ごしたことは初めて、とのこと。結婚して17年になる彼女だ。話が長くなったのも仕方ないこと。

「なんだか気分がすっきりしたみたい! なんだろうー」
と笑顔の彼女を見て、ホッとした。
言葉にして、外に出すだけで身体の中のどろどろしたものが溶けていくものだ。その澱はまたすぐに溜まってくるだろうけど、その時はまた吐き出せばいい。
長い付き合いになるかもしれないけど、それもまたよし。

少なくとも、解決の糸口は、少し見えてきたのだ。

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