秋の楽しみ

2000年10月21日
10時過ぎ頃に目が覚めた。
寝室の雨戸を開けると前の日の雨が信じられないくらいの陽気で、思わずこんな時間まで寝ていたのを後悔してしまった。

天気もいいしと、連れ合いと二人で西荻方面まで自転車を走らせることに。

自転車でひととおりぶらぶらするうちに、ふと、いつも中央線に乗ると目に入る看板を思い出した。たしかかなり有名な蕎麦屋なのだが、一度も実際に店をみたことがない。
よし、行こう。思いついたら行動行動。
目当てといえば、中央線の電車から見える看板。荻窪と西荻の間にある。
とりあえず、北側の線路沿いをずっと行けば、きっとどこかで行き当たるだろう。

30分ほど探しまわって、みつけました「本むら庵」。
噂と想像に違わぬ立派な店構え。駐車場完備。観光バスも来そうな勢い。うむむ。
自転車でうろうろしてると、ガードマン?もしくは案内係のおじさんが。
「あっ、自転車ね、そこの駐車場の、コーンのところにいいよ」
わりあい気さくな感じである。些細なことで好感度UP。

店に入るとなるほど立派。待合所はいろり風。しばらく待って禁煙席へ。
堅苦しくないが由緒正しそうないい感じ。
そしてやはり蕎麦屋は蕎麦!
これが!むちゃくちゃうんまい。蕎麦だけじゃ足りないかなと頼んだ小料理も激うま。いや、真面目にこんなうまい蕎麦はひさびさに食べました。大ヒットです。しかもお値段は思ったほど高くなく、私の頼んだとろろ蕎麦は800円也。

「この店サ、ここで修行して一本立ちしましたって名店も多いらしいよ」
と、連れ合い情報。ひええ。おみそれしました。
なにげなく割り箸のさやを見たら、ニューヨーク店もあるらしい…。
そんなところの本店がこんな近くに。とってもお得感。

嬉しい気分のまま、自宅へ自転車を走らせる。途中途中で、むかごも収穫。
むかごというのはいものツルに出てくる実の“ようなもの”で、これが私の秋の楽しみのひとつでもある。雑草みたいなもので、結構どこでもみかけるのだが、案外とこれが食べられるものであることは知らない人も多く、大抵ほったらかしにされている。
実はうちの大家さんの庭にもあるのだが、やはりというか、大家さんも食べられるなどということは知らなかったらしい。
庭でも収穫、外での収穫とも合わせると、コップ一杯ほどにもなった。早速むかごごはんをすることに決めた。

もちろん、大家さんにもお裾分け。半分はお庭のものですから、当然当然。
大家さん、
「72才の今日まで、あたし、こんな食べ物があるなんて知らなかったわぁ! とっても美味しい!」
と大感激のご様子。よかったよかった。それは特別なものではなくて、お庭に前からあったんですよー。来年も食べられますからどうぞお元気でお過ごしくださいね。

そうそう、むかごって、最近はデパートとかでツブの大きいのがこの季節売られてますが、あれは大きすぎて炊き込みゴハンには向きません。
あの手の大粒は、油で軽く揚げて、抹茶塩などまぶして、料亭なんかで上品に出てくる一品によく使われます。
むかごごはんには、直径5〜8mmくらいのツブが一番向いております。

しかし、こんな都会の中にあっても、秋の収穫が楽しめるなんて、ふふ。知る者のみの楽しみなのである。

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