10月最後の日。今月は食費の節約がだいぶうまくいって、1万円ほど残すことができたので、ふたりでちょっといいものを食べにいこうという話になった。こういう小さな贅沢がとても楽しい。

そして今日は井上洋介さんの個展が最後の日なので、ご挨拶も兼ねて、私の買った絵を見にいくことにした。まだ連れ合いには話してないのだ、絵のプレゼントのこと。
…でも、どうしても顔にでてしまう、隠しごとの苦手な私は、お店に着くまでナイショにしておくことが出来なかった。うーん失敗。まさか、
「もしかして…絵、買ったんじゃないでしょうね」
なんて言われるなんて思わなかったのだ。瞬間、顔がどうしてもにやけてしまって、平静を保つなんてとてもとても。うーんお店でビックリさせようというここ一ヶ月の目論見はあえなく頓挫。ぐすぐす。
それでも喜んでくれたのでヨシとして、お店へ向かった。
お店ではまたもや店主に酒をふるまわれて、食事前にもう酔ってしまう私たちだった。

その間、しきりと店主、うーんあの絵かー。うーん、惜しかったなぁ。うーん、あの絵なんだよなー。と、私の買った絵のことを悔やんでみせた。ふふん。もう遅いって。ダントツ人気の一枚を、初日にツバつけちゃいましたからね。

お店の時間は8時まで。時間いっぱいまで絵を飾っておいたほうがきっとみんないいだろうと二人で判断し、また週末に受け取りにきますといってその場をあとにした。

食事に行ったのは以前に住んでいたマンションの近くにある洒落た店で、オーナーシェフが腕をふるう、イタリアンレストラン。おまかせのコースを二人でゆっくり楽しんで1万円くらい。腕も食材の選び方も一流で、格別な気分にさせてくれる。
こんな小さな町の、裏通りにある店なのがもったいない。
かと言って、他に移ってほしくもない。
この楽しみはこっそりと自分たちのものにしておきたい、というわがままな気分になる。

帰り道、住んでいた部屋のそばを通って窓を見上げた。
見覚えのあるカーテン。
雨戸のない部屋だったので、サイズのちょうど合う斜光カーテンを、2重につけていたのだ。寒さもぐんとおさえてくれたものだ。
今度の家にはあつらえのカーテンが既にあったので、使ってくれても、くれなくてもいいからと、元の部屋に置いていった。新しい住人は、特にこだわることもなく使ってくれているらしい。
(コンロもピカピカにして置いていったけど、使ってくれてるかな?)

6年間楽しく過ごした部屋を見上げて、ちょっと感慨にふけってから、また歩きだした。

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